B_Otaku のクルマ写真館
 BMW X4 (F26)


最近流行のクーペタイプ SUV という何やら従来の常識からは完全に逸脱している分野のクルマの元祖は恐らく BMW の X6 だろう。初代 X6 (E71) は2008年に発表され、現在は 2014年発売の2代目 (F16) となっている。X6 は X5 をベースとしていたが、X6 が2代目となった 2014年には X3 をベースとしたワンサイズ下の X4 (F26) も発売された。今回はこの X4 を取り上げてみた。

X4 のバリエーションは4気筒 2.0L ターボの 28i 、6気筒 3.0L ターボの 35i 、そして同じく 3.0L だが更にパワーアップしたハイチューンの M40i の3グレードとなっている。X4 のベースは X3 だが、その X3 にラインナップされているベーシックな 2.0L ターボの 20i は X4 には用意されていない。これは X4 のように付加価値を求めるモデルにはベーシックな 20i は存在価値が無い!ということだろうか。またトップグレードの高性能モデルである M40i はその名のとおりで、本物の M モデルではないが M Sport よりも M に近い。もう少し詳しく言うと、本物のMモデルが M Auto-mobiles 社製であるのに対して、こちらは M Performance Automobiles 社製で、この辺の詳細については M135i 試乗記を参照願いたい。

ところで下の表を眺めてみると3シリーズベースとは言え SUV の X3 も X4 も共に車両全幅寸法は 1,880㎜ と、以前の日本では考えられなかったくらいの幅の広さで、 X シリーズの末弟である X1 でも 1,820㎜ もある。その X1 だが、これのみ FWD という他のモデルとは別路線のクルマであり、この辺は BMW ファンからすれば複雑な気持ちだろう。

今回の写真のモデルは X4 xDrive 28i M Sport で価格は744万円也と X5 程では無いとは言え決して安くは無い。

一見して感じるのは SUV というよりも 3シリーズグランツーリスモの背の高いヤツというか、4シリーズグランクーペの更に背の高いヤツとか、まあそんな感じで、見た瞬間にこれが X4 だと判るのは至難の技、というか X4 のオーナーくらいだろう。

以上2016年10月13日掲載分


フロントフェイスはこれまた誰が見ても BMW というデザインで、これをモデル毎の特徴が薄いなどと言っている3流評論家もいるようだが、買わない (買えない) とか縁がない輩が大きなお世話‥‥おっと、これは特別編でやるべきネタだった。

それで X4 のフロントフェイスだが、ぶっちゃけ X3 と同じ! 実は X3 の後期型ではフェイスリフトが実施され同時期に新規発売された X4 と共通だったとさ‥‥ちゃんちゃん。

 

リアビューは BMW に共通と言ってもいいくらいの "L" 型のリアコンビネーションランプなど、フロントほどではないがやはり BMW のアイデンティティがシッカリと刻まれている。それで X3 との関係はといえば、流石にこちらはリアコンビネーションランプの形状が違った。

 

サイドビューを見ると高いウエストラインの SUV に低いクーペルーフを乗せているのが判る。それでウエストラインより下は X3 と共通かとも思ったが、よく見ると別物のように見える。まあ流石にドアまで共通‥‥とかは無さそうだ。

 

リアハッチを開けて出現したラゲージスペースは、床については X3 と共通と言っても良いくらいだが、高さ方向はマルで異なるのは当然で、それにしてもルーフの高さが低い。

ライト類はフロントにアダプティブ・ヘッドライト (バリアブル・ライト・コントロール機能付)、リアは ハイマウント・ブレーキ・ライト(LED)とダイナミック・ブレーキ・ライト (緊急時のブレーキ操作では1秒間に複数回点滅し、後続車のドライバーの視認性を高め、警告を促す)が標準装着されている。

サイドビューにはXシリーズに共通のパワートレインを表すエンブレム (X DRIVE 28i) と、M SPORT ということで小さな "M" のゴロマークが付いている。

4気筒 2.0L ターボで 245ps / 5,000rpm 350N-m / 1,250 - 4,800rpm を発生する N20B20A エンジンは直6 3.0L ターボの N55B30A が入るエンジンルーム内では特にエンジンの前がスカスカとなっている。

エンジンのトップカバーを拡大すると "Twin Power Turbo" のロゴが見える。

タイヤサイズはフロント:245/45R10 、リア:275/40R19でサイズ自体は写真の M SPORT もスタンダードと同じだが、当然ながらホイールは "Mライト・アロイ” となる。

ホイールスポークの隙間を覗き見ると、BMW の常である車格の割にチャチなブレーキキャリパーが見える。

以上2016年10月14日掲載分

ドアを開けると、そこに見えるインテリアは標準的な BMW そのもので、SUV の為にサルーンに比べて着座位置は高いが、これはXシリーズならどれも同様だ。なお今回の車両は M SPORT の為にシートのサイドが高いサポート重視のシートが付いているが、そのサポートは同じ M SPORT でも X5 よりよりスポーティー、すなわちタイトになっているように感じる。

シート表皮は M SPORT によくあるサイドが人工皮革でセンターがファブリックというもので、同じ M SPORT の SUV でも X5では本皮が標準となるという違いがある。

電動シートの調整は多くのBMW車に共通のものが使われていて、シートメモリースイッチも一体化されているタイプだ。

ドアのインナートリムも BMW らしいものだが、これもやはり X5程には金が掛かってはいないが、3~4 と 5~6シリーズでは差があって当然だ。とはいえ X4のドアトリムも決して悪くはない。

肘の当たる部分のパッドにはシート座面と同じ M SPORT 用のファブリックを使用している。

アームレストには人工皮革にステッチの入ったパッドを使用して、これまたシートと共通の M SPORT デザインとなっている。

なおこれが M SPORT で無くスタンダート (32万円安い) だと当然違ってくる筈だ。

以上2016年10月17日掲載分


ダッシュボードについては何処かで見覚えがあると思ったら、やっぱりベースとなる X3 と共通だった。そりゃあまあ、インテリアの部品としては最も大きいダッシュボードは金型のコストも膨大だから、マイナー車種である X4 の為に新たな型を起こすのは無理というものだ。

 

センタークラスターも当然ながら X3 と同一であり、その X3 は既にモデル末期だから配置やデザインが最新で無いのは当然だ。まあ5シリーズとて来年発売のニューモデル (10月16日の日記参照) でやっと最新のディスプレイ配置になったくらいだからこれは仕方の無いことだ。

ここまで共通化されていれば当然ながらコンソールも X3 と同じで、下の写真だけ見たらば X3 との区別が全くつかない。そしてダッシュボード右端のライトスイッチ回りも勿論同じ。

 

ということはオーバーヘッドコンソールも、センターコンソール後端のリア用エアアウトレットも X3 そのままだ。

 

メータークラスター内の計器類だって X3 と共通‥‥どころか、この部分は5シリーズサルーンも X5 もハード的には同じモノで、一部ソフトウェアで変更できる液晶表示が違う程度だ。ところでこの液晶表示の無い部分には液晶パネル自体が無いのか、それとも共通化で実は付いているのか? さ~てどうだろうか?

ということで X4 はやはり X3 のクーペバージョンだったという当たり前の結果だが、X3 自体の試乗記も初期型の6気筒モデルだったために今回 X4 xDrive 28i に試乗することで最新の4気筒で重量のある SUV をどの程度引っ張っていけるのか、という点を確かめる予定だ。

以上2016年10月18日掲載分

⇒ BMW X4 xDrive 28i 試乗記 (2016/10)