マツダ コスモスポーツ

 

 


1967年5月に発売されたマツダ コスモスポーツはその円盤のような未来的なスタイルも衝撃的だったが、何よりボンネットの下に世界初の2ローター・ロータリーエンジンを搭載しているという、正に自動車の歴史に残る車だった。

コスモスポーツに搭載され たエンジンは前期型L10Aが最高出力110ps/7000rpm、最大トルク13.3kg-m/3500rpmを発生し 、価格は148万円とクラウンが100万円の時代を考えれば極めて高価だった。発売から約1年後には後期型となり、ボディのワイド化とともにエンジンもL10Bとなり性能も128ps/7000rpm、14.2kg-m/5000rpmと向上した。更に前期型では4速だったトランスミッションも5速(しかもフルシンクロ)化されるなど大幅な進化をしたが、価格は158万円と10万円しか値上がりはしていなかった。 当時の文献によれば後期型の動力性能は0〜400mが15.8秒だそうで、これは今でも十分通用する程の性能だ。
コスモスポーツは確かに画期的なクルマだったが、百数十万円という価格は一般の市民は勿論、チョットした金持ち程度でも高嶺の花だった。 しかし、今見ても十分に通用する未来的なスタイルや動力性能など、40年前にこれ程の性能のスポーツカーが成立したのも全てはコンパクトなローターリーエンジンあっての事だったし、当時は将来のエンジンの多くがローターリー化されるのでは 、とも思っていた。ところが、結局は燃費や耐久性の問題から、今現在ではRX−8のみが生き残っているにすぎない。